メキシコの激動の歴史を紐解くノート

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メキシコでは、マヤやアステカ等の古代メソアメリカ文明、スペインを中心としたヨーロッパ文化、隣国アメリカの大きな影響力など、その激動の歴史を背景とした様々な要素を感じることができます。メキシコをより良く理解するために、今回はその歴史を紐解いていきたいと思います。
メキシコの歴史は、大きくは下記の5つの時期に大別されます。
  1. 紀元前〜15世紀:マヤやアステカ等の様々なメソアメリカ文明の旺盛
  2. 16世紀〜19世紀:約300年間に渡るスペインの植民地支配
  3. 19世紀:スペインからの独立と独立後の内政混乱、アメリカやフランスとの対外戦争の勃発
  4. 20世紀:独裁政権に対するメキシコ革命の勃発、石油等の豊富な資源を背景にした高度経済成長と2度の経済危機
  5. 21世紀:対米輸出を軸にした輸出・製造拠点としての注目度上昇

1 〜 5 について、少し細かくノートしてみました。


 

1. 紀元前~15世紀
マヤやアステカ等の様々なメソアメリカ文明の旺盛
スペイン植民地支配以前、北米から中米にかけての広大な高原地帯にはマヤやアステカを始めとした様々な文明が勃興していました。それらは、世界三大ピラミッドの一つであるティオティワカン文明のピラミッドや、アステカ文明の太陽の石(カレンダーを刻んだ石)など、多くの現存する遺物や神殿に見られるように高度な文明を築いていました。

 

2. 16~19世紀
約300年間に渡るスペインの植民地支配
1492年のコロンブスのアメリカ大陸”発見”後、1519年にスペイン人コルテスがメキシコに上陸。スペインはアステカ帝国を滅ぼし、ヌエバ=エスパニャ(スペイン語で”新しいスペイン”の意味)植民地として統治を開始し、その後300年に渡り支配します。植民地時代にカトリックやヨーロッパの文化が持ち込まれ、メキシコの各都市ではバロック様式の教会やヨーロッパ風の都市開発が進められていきます。

 

3. 19世紀
スペインからの独立と独立後の内政混乱
植民地時代、権力を握っていたのは本国生まれのスペイン人であったため、現地生まれのスペイン人であるクリオーリョやインディオとの混血であるメスティーソの不満が次第に強まっていきました。
18世紀後半、アメリカやフランスでの独立革命・市民革命の機運を受け、1808年に宗主国スペインがナポレオンに征服されたことを期に独立運動が開始します。クリオーリョの司祭イダルゴの決起により1810年にメキシコ独立革命が勃発し、長い戦いの末、1821年にスペインからの独立を達成します。

 

アメリカやフランスとの対外戦争の勃発
しかし、独立後は内政が混乱し、その混乱に乗じたアメリカ・フランスからの干渉に苦しみます。アメリカは1845年にメキシコ領だったテキサスを併合。さらに、1846年からのアメリカとの領土戦争の結果、メキシコはカリフォルニアやニューメキシコを失い、かつての国土の半分以上を失いました。また、1861年にはフランスのナポレオン3世がメキシコに出兵し、君主国の樹立を目論みマクシミリアン皇帝を即位させました。マクシミリアン皇帝は1867年にメキシコ共和国側の勢力に処刑されました。

 

4. 20世紀
独裁政権に対するメキシコ革命の勃発
1876年、フランスとの対外戦争で活躍したディアスがクーデーターを起こし、独裁体制を確立。ディアス政権は外国資本や富裕層を優遇し経済は拡大したものの、国民の不満は高まりました。
1910年、ディアス独裁に対する民主化勢力の抵抗からメキシコ革命が勃発。メキシコ革命の中で、植民地支配以前のメソアメリカ文明を再評価する動きが活発化します。多くの芸術家が民衆に対してメキシコ独自の文化や自然を壁画を用いて啓発することでメキシコ革命を後押しします。
1929年には、様々な革命勢力をまとめた制度的革命党PRIが政権を取り、その後71年に及び一党独裁体制を築きました。1934年に大統領となったカルデナス政権の下で、土地改革、石油資源の国有化、労働者保護政策などの社会改革が実現します。

 

石油等の豊富な資源を背景にした高度経済成長と2度の経済危機
1940~1970年代は豊富な石油資源を背景に工業化を進めることでに安定的高度経済成長を実現し、1968年にはメキシコオリンピックが開催されます。
一方、メキシコの高度成長は多額の対外借り入れに支えられていた側面があり、1982年に米国の高金利・ドル高・原油価格急落などの要因が重なったことで対外債務の支払い負担が急増、メキシコは債務返済能力は著しく低下しました(債務危機)。
この債務危機は、財政赤字の削減など経済安定化政策と引き換えに米国政府やIMF(国際通貨基金)が緊急融資を実施し、1989年に一応の収束を迎えました。
その後メキシコ経済は順調に回復していましたが、1994年、先住民による反乱や大統領候補の暗殺など政情不安が顕在化し、海外投資家の資金が国外へ急激に流出、ペソが大量に売られ大暴落し、1994年の通貨危機を経験します。
これらの二度の経済危機を味わったメキシコは、対外債務の返済能力の強化や、財政赤字の削減に積極的に取り組みました。

 

5. 21世紀
対米輸出を軸にした輸出・製造拠点としての注目度上昇
海外短期資金の一斉流出が1994年の通貨危機につながったことから、長期資金である直接投資の重要性を認識し、外貨規制を緩和するなど直接投資を喚起することに努めています。
加えて、充実したFTA(自由貿易協定)網、国際競争力のある労働力、巨大消費市場である米国や成長市場である南米に隣接するという立地の良さなどから、メキシコの輸出・製造拠点としての魅力が増大し、各国の自動車メーカーがメキシコでの生産を拡大しています。

 


 

メキシコの歴史を俯瞰することで、メキシコで感じる様々な文化の重なり合いを少し理解できるようになると思います。少し長くなりましたが、みなさまのメキシコ理解の一助になれば幸いです。

 

※参考
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