インターネット時代の災害発生時対応〜メキシコ地震に見るケース事例

#19s articulo

メキシコ現地時間の2017年9月19日昼過ぎ、首都メキシコシティの隣州を震源とするマグニュチュード7.1の地震が発生しました。複数の州で強い揺れを観測し、10月4日現在までに犠牲者は369名に上っています。特に、人口密集地であるメキシコシティで被害が大きく、建物の倒壊等により228人が犠牲になりました。

地震発生直後、建物が崩れ砂埃を上げる中で、国や自治体の救援隊が到着するよりも早く、そこに住む市民が助けを求める人のために立ち上がりました。倒壊現場に駆け付けヘルメットやスコップを持って瓦礫を取り除く人。被災者や救助隊、ボランティアへ水や食料を届ける人。彼らへ休憩場所や宿泊施設を提供する人。相互に声を掛け合いながら、目前の困難に協力し立ち向かうメキシコの街の人々の姿はとても印象的で心を打たれました。

そんな市民ボランティアの活動を支える形で大活躍したのがインターネット。生活実感としても都市部のWi-Fi環境は日本よりも整っていて、多くの人がスマートフォンやタブレットを持っているメキシコ。今回の災害発生時対応の中で、インターネットを活用した4つの事例をピックアップしてノートしたいと思います。

 Contents  
  1. 何はともあれインターネット接続!市民によるWi-Fiの開放
  2. 危険な場所や助けを得られる場所をGoogle Mapで共有
  3. そのネット情報は本当?正確な情報を発信するプラットフォーム
  4. 被災した子供達に国民的英雄「フリーダ」塗り絵をネット無料配布

 

1. 何はともあれインターネット接続!市民によるWi-Fiの開放

スマートデバイスを使うにも、何はともあれインターネットに接続する必要があります。

地震発生から程なくして、ネット接続ができずに困っている人々のためにWi-Fiを無料開放しようとソーシャルメディアで呼びかけられ、多数の市民や小売店舗、レストランなどがそれに答えました。

方法は簡単。自分のWi-Fiを「ネット開放中(RED ABIERTA)」等の分かりやすい名前へ変更&パスワードを解除し、誰もが利用できる状態にするだけ。

何はともあれネット接続ができるだけで、大きく安堵することができた人も多かったことでしょう。

#AbreTuWIFI (#あなたのWIFIを開放しよう) というハッシュタグで、Wi-Fiを開放するためのステップを紹介

 

2. 危険な場所や助けを得られる場所をGoogle Mapで共有

小さい通りや多くの建物がひしめき合ったメキシコシティ。どの場所が危険なのか、どこへ行けば助けが得られるのか。

倒壊した建物あるいは倒壊の危険性のある建物、ガス漏れの恐れがある場所、救援物資の集積/提供所、被災者向け宿泊施設などが次々にGoogle Map上にアップデートされ、そのGoogle Mapはソーシャルメディアを通じて被災者やボランティアの人々に広がりました。

Google Map:倒壊した建物や、救援物資の集積所などの分類がレイヤーで可能

3. そのネット情報は本当?正確な情報を発信するプラットフォーム

ソーシャルメディアでの情報共有では、善意であれ不確実な情報を拡散することで円滑な救助活動を阻害してしまったり、不要な混乱を生じさせてしまったりすることも。

今回の地震でも、不確実な情報の拡散によって、被害の特段無い場所に多くの人が集まったり、必要以上の物資が集まったりと多くの混乱を招きました。

そんな状況を受け、効率的な被災地・被災者支援のために正確な情報を発信するプラットフォーム「#VERFICADOS 19S」が、ボランティアや民間団体、メディアや記者等の横断的な連携により、地震発生の数日後に立ち上がりました。

このプラットフォームや彼らのTwitterアカウントでは、ボランティアへの参加や物資の援助を希望する人に対して、いつ・どこで・何が・必要なのかについての正確な情報が、統一したフォーマットに整理され発信されています。

統一したフォーマットでTwitter発信される支援募集の情報

https://twitter.com/verificado19s/status/916120285807554560

スクリーンショット 2017-10-07 15.13.16

また、メキシコシティの自治体も情報を拡散する際の注意事項を周知するなど、不確実な情報や偽ニュースの拡散に対する対策を講じています。情報を共有する前に、「情報が本当かどうか確認できるか?」「この情報は30分以内に発信されたものか?」「情報を共有することで誰かに役立つか?」といった項目にすべて同意できるかを確認しようと呼びかけています。

自治体が発信した情報を共有する前の確認チャート。すべて「Si(同意)」の場合のみ共有しようと呼びかけ

 

4. 被災した子供達に国民的英雄「フリーダ」塗り絵をネット無料配布

避難所に身を寄せている子ども達のために、インターネットを通じて塗り絵の無料配布をするデザイナーも。

モチーフは、建物の倒壊現場で活躍する災害救助犬たち。メキシコ海軍「MARINA」の文字が入ったユニフォーム、目や靴を守るゴーグルや靴を身にまとった彼らの勇姿に多くの人が感動し、今や国民的英雄となっています。

災害救助犬「フリーダ」。いくつもの災害現場で活躍し、これまでに50人以上も見つけ出している

https://twitter.com/BBC/status/914395726741950466

災害救助犬を紹介する塗り絵をファイル共有サービス「Drop Box」を通じて、誰もが無料でダウンロードをできるようにしています。

災害救助犬の紹介と塗り絵の冊子:LOS HÉROES de CUATRO PATAS (4つ足のヒーロー達)


今回のメキシコでの災害対応時のインターネット活用事例は、日本でも参考にできる部分があるかと思います。特に日本へ観光で訪れている外国人旅行者に対して、災害発生時に現地の日本人がインターネット接続の確保やその活用をサポートすることができれば、多いに助けになるのではないでしょうか。

メキシコ地震で多くの犠牲者が出たことはとても痛ましいですが、困難に立ち向かうため団結するメキシコの街の人々の姿を見ると、この国が復興を成し遂げより良く発展していくであろうことを強く感じさせます。¡Fuerza México!

 

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